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インターロッキングって何?メリットや施工方法を解説!
自宅の外構工事を行う際に、施工業者から玄関アプローチなど人が歩く路面や駐車スペースにインターロッキングの使用をすすめられることがあります。
多くの方はそれが何かを知らないままに利用しているのが現実ですが、本コラムではインターロッキングの特徴や施工方法などについて詳しく紹介します。
インターロッキングとは
インターロッキングとは、コンクリートを互いにかみ合うような形状にして、レンガ調に組み合わせた舗装方法のこと。
正式にはインターロッキングブロックと言います。
1950年代に西ドイツで、自然石に替わる走行性の高い車道使用を目的に開発されました。
日本に導入されたのは40年ほど前で、今では世界中で一般車道の他にも、歩道や公園、コミュニティ道路、個人住宅など様々な場所で使用されています。
インターロッキングという名前と使用される場所から、岩(rock)を連想する方が多いと思いますが、ロックは鍵をロック(lock)する方で、かみ合わせる(interlocking)ことを意味しています。
インターロッキングのメリット
コンクリートのブロック同士をかみ合わせることより、丈夫にできていることがインターロッキングの大きな利点ですが、その他にも以下のような多くのメリットがあります。
バリエーションが豊富
いろいろな素材や形状のコンクリートのブロックをかみ合わせることから、バリエーションを豊富にできることがインターロッキングの特徴でありメリットです。
組み合わせの色を変えたり、長方形や正方形などにブロックの形を変えたりすることにより、個性のある舗装をつくることができます。
水はけが良い
インターロッキングの施工方法は以下で詳しく紹介しますが、ブロックとブロックの間に砂を入れているため、雨水が地面に浸透し、水たまりを防止でき、浸水を防げるメリットがあります。
また、インターロッキングブロック自体に浸透性をもたせたものもあります。
熱をもちにくい
インターロッキングは照り返しが少ないため、コンクリートに比べて表面温度が高くなりません。
したがって、一般住宅に使用すると眩しさや室内温度を抑えられ、夏場も快適に過ごすことができます。
施工が簡単でコストパフォーマンスに優れている
インターロッキングは砂の上にブロックを敷くシンプル構造なので、コストパフォーマンスに優れています。
最初にしっかり工事を行うことにより、長く利用することができ、ライフサイクルコストも抑えることができます。
環境配慮型インターロッキングの種類
バリエーションが豊富で、組み合わせ次第で個性を出すことができるインターロッキングには、エコロジーの観点から開発された「環境配慮型」の商品もあります。
ここでは、その中から自宅用にもおすすめの種類を紹介します。
保水性ブロック
雨が降ったときにブロックが給水、保水して晴天時には水蒸気として放出させてくれるのが保水性ブロックです。
路面温度を低下させ、ヒートアイランド現象を低減させる効果をもっています。
透水ブロック
雨水を地下に浸透させられるブロックで、水たまりをできにくくします。
遮熱性ブロック
太陽光を反射して蓄熱しにくくし、夜間の放射熱を軽減させます。
リサイクルブロック
工場で発生する電気炉スラグ骨材や廃棄物のガラスが主原料になっていたりする、環境に優しいリサイクル商品です。
植生用ブロック
目地を緑化できるインターロッキングで、環境配慮型の中でも注目度が高いのが植生用ブロックです。
テトラポットのような面白い形をしていて芝などの緑と併せて施工され、自宅の玄関アプローチに使用すると助成金の対象になる場合もあります。
インターロッキングの構造と規格
インターロッキングは、地盤の上に砕石、敷き砂、ブロックの順に層をつくる構造となっています。
ただし、その上に何が通るかによって規格は変わります。
人や自転車が通るだけの場合と、駐車場などの車両が乗り入れる場合では、ブロックの厚みなど規格が大きく異なります。
以下に、歩道と車両乗り入れの路盤の規格を紹介します。
歩道の路盤
人や自転車が通る程度であれば、インターロッキングブロックの厚みは6㎝以上あれば良く、地盤の上に砕石を10㎝程度、敷き砂を3㎝程度、その上にブロックを並べます。
車両乗り入れの路盤
車が通る場合は、厚さ8㎝以上のインターロッキングブロックを使用します。
この場合は、砕石の上に粒度調整砕石の層を加える工程が追加されますが、粒度調整砕石は粒が小さくしっかり締まるのが特徴です。
インターロッキングの施工方法
インターロッキングの構造を前項で紹介しましたが、ここでは施工の手順を紹介します。
インターロッキング工事はプロに任せれば安心ですが、DIYで行う方も最近では増えているので、その場合は手順をしっかり把握してから実践してください。
土の鋤(すき)取り
地盤の余分な表土を、必要な深さまで平らに削り取ってしっかりとした地盤をつくります。
地盤が軟弱だと下がってくる可能性もあるので、この工程はとても重要です。
砕石の転圧
次に、クラッシャーランと呼ばれる砕石を必要な深さまで入れていきます。
入れただけでは十分に締まっていないため、転圧が必要になります。
インターロッキング工事においてこの工程がとても重要となり、転圧が甘いと歩道の沈下やずれの原因にもなるため、道具がなければ本格的な施工を行うことができません。
敷き砂の転圧
次に敷き砂を入れますが、ここでも転圧作業が必要になります。
インターロッキングを並べる
敷き砂をしたら、インターロッキングブロックを並べてしっかり固定します。
ブロックを固定した後にも、軽く転圧することをおすすめします。
目地砂を入れる
敷き詰めやブロックの上から珪砂などを撒いて目地の上までしっかり入れて、ホウキで掃きます。
最後に水を撒き、目地に流し込んだら作業は完了です。
インターロッキングとは何か、メリットや施工方法を解説してきましたが、どのようなものかご理解いただけたでしょうか。
自分で施工するのは労力も時間もかかるので、インターロッキングを施工したい場合は外構のプロにご相談ください。